An instructive book on the Japanese alphabet
本書では日本語の平仮名はもちろん、一部カタカナと中国語の漢字も筆で書いています。大内田先生が私の求めに応じて執筆したこのガイドブックでは、平仮名およびその構造要素をいくつか説明していきます。本書の始めに於いて、平安時代(AD 794 ~1179) に作られたといわれる古詩「いろは歌」が選りすぐってあります。 この有名な古詩には、二つの大きな特徴があります。一つは、この詩は全ての仮名を少なくとも一回ずつ使って作られたパングラムです。二つ目は、この詩は全ての仮名を重複させずに使って作られた完全パングラムです。それをきっかけとして、大内田先生が執筆したもう一つの素晴らしい作品を見かけました。異なった漢字一千字のうち、ほとんど一字の重複もないことで作成された完全パングラムである中国南北朝時代の漢詩「千字文」についての本ですが、後ほどご紹介します。とりあえず、一字も重複していない「千字文」は、文字習得のための教材または書の手本として使われてきたという。ちなみに、「いろは歌」は仏教のお経の中の言葉をもとにしたといわれています。